福井・美浜原発事故:
直線配管も減肉を認識 オリフィス直後で--関西電力 福井県美浜町の関西電力美浜原発3号機の高温蒸気噴出事故で、関電は、破損した配管の「減肉」について、従来、発生しやすいとされてきた配管の曲折部と同レベルで発生する可能性を少なくとも約10年前に認識していたことが11日、分かった。同社が認めた。破損部分は直線の配管だが、近くに流量測定のため内径が細くなっている「オリフィス」と呼ばれる水量測定装置があった。昨年11月に計画的な検査が必要と把握しつつ運転を継続したことと併せ、同社の安全確保に対する甘さが、さらに批判を浴びそうだ。【日野行介、根本毅】 同社によると、「オリフィス」は配管内にドーナツ状の輪を入れて口径を狭め、前後の圧力の差で流量を測定する。中央制御室で冷却水の流量を確認できるよう加熱器や蒸気発生器など主要機器を結ぶ配管に設置。同機では2次系の配管で約60カ所あり、減肉の調査を開始している。オリフィスの直後は水に渦が発生するため、それが当たる部分が減肉しやすい。同社は「この場所は配管の曲折部と減肉のしやすさで大差がない」と認めた。 86年に米国サリー原発で起きた配管破損事故でも今回と同様にオリフィスの直後で発生。関係者によると、この事故を受けて90年に国の指導で作られた管理指針でも配管の曲折部などに並び主要な点検ポイントに挙げられていた。 一方、破損した配管のほかに、検査対象から漏れていた個所が、もう1カ所あることが分かった。2系統に分かれた配管のうち、破損した系統と対になったオリフィス付近。配管の大きさや水温、圧力など条件がほぼ同じため、事故原因の究明につながる個所として注目される。 新たに判明した部位は、破損した個所と同様、冷却水を加熱する「低圧給水加熱器」と、冷却水から気体を除く「脱気器」の間の「復水管」にあり、約140度、約9・2気圧の熱水が流れている。 毎日新聞 2004年8月11日 東京夕刊 原子力安全白書
by doopylily
| 2004-08-13 10:43
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